#INTERVIEW

数値を“意見”に 意見を寄り添う“提案”に 企業年金で安心できる未来をつくる

Profile

H.I.

信託年金営業部 コンサルティング室
りそな銀行

理学部卒 2018年入社

2018年、アクチュアリーコースでりそな銀行に新卒で入社。2021年にアクチュアリー正会員資格を取得。現在はアクチュアリーとしての業務に加え、上席数理役として同資格取得を目指す同僚への指導も行っている。

Chapter
01

policy

確率や統計、計算で未来を見通す
目指すのは、お客さまの納得と安心

現在の業務内容を教えてください

企業年金、中でも確定給付企業年金の決算および計算業務を担当しています。お取引先企業が将来、社員へ年金を支払うための積立が適切であるかの検証や、必要掛け金の計算が主な業務です。退職や昇給など将来的に発生しうる不確定な要素は、確率論や統計学によって見通しを立てていきます。また、年金制度に関わる法律はたびたび改正されるので、関連ニュースのキャッチアップや知識のアップデートが欠かせません。

フルラインの信託機能を備えた日本唯一の商業銀行として、幅広い事業を展開するりそな銀行の中でも、企業年金事業は特に扱う金額が大きい分野。組織の屋台骨を担う責任と、確かなやりがいを感じられる仕事です。

学生時代は、数理科学を研究されていたそうですね

幼い頃からずっと算数や数学が好きで、就職の際も数理的思考力を活かせる仕事がしたいと考え、金融分野で数理業務を担当する専門職である「アクチュアリー」を目指しました。正式にアクチュアリーの業務を手掛けるためには、正会員資格が必要です。全7科目の試験には基礎科目と専門科目があり、前者では数学の知識が役立ちますが、後者ではまったく異なる知見が求められるため、苦戦しました。専門科目の肝となるのは、年金制度が抱える課題について法律を踏まえた意見が問われる問題です。法律を扱うことも、説得力のある説明文章を作成することも初めての挑戦でしたが、社内勉強会や先輩からの助けを得て乗り越えることができました。早期に資格取得できたことで、早い段階から密度の高い経験を積むことができています。

年金関連の計算は、大学院で研究した分野と直接的な関係はありませんが、数理的思考力や、一度出した解が正しいものなのかを多角的に検証する力は現在の業務に大いに役立っています。

アクチュアリーを目指す環境として
りそな銀行を選んだ決め手を教えてください

信託業務を担う銀行の中でも、幅広い企業規模のお客さまとのお取引があるため、豊富な経験を積めることが大きなポイントでした。アクチュアリーの業務は、企業規模によってアプローチの手法が異なる部分があります。万単位の社員が所属する大企業と比較して、数十名規模の中小企業では取得できるデータが少ない分、確率論などから導き出される数値の信憑性が低くなってしまうのです。これを補完して確実な結論に近付けるために、データの取り方を工夫して通常よりもサンプルを増やすことがあります。一方で、増やしすぎることで信憑性が低くなることも考えられるため、調整が必要です。

どんなデータを分析対象とするか、出てきた数値をどう捉えるかはアクチュアリーの経験と感覚に任された、いわば腕の見せどころ。さまざまなケースを担当することで幅広い経験を積み、成長できていると感じます。

理想のアクチュアリーとは
どんな仕事ができる人だと思いますか

自分の意見を持ち、それを適切に伝えられる人だと思います。アクチュアリーの本質的な役割は、お客さまの年金制度に対する不安を払拭することです。そのためには、高い計算能力だけでなく、わかりやすい説明ができなければいけません。出てきた計算結果を、どのような思考プロセスでどう捉えたのかを言語化して、誰にでも伝わる説明に落とし込む。ここまでできて初めて役目を果たせるのだと思います。

特に「伝える」というスキルに関しては、目下磨いている最中です。決算や試算の結果は営業担当がお客さまに報告するのですが、上手くお伝えができず、ご迷惑をおかけすることもあります。時には「掛け金を増やすべき」といったお客さまの支出が増えるご提案に着地することもあるので、計算が適切であることと同じくらい、ご納得いただける説明をすることが大切です。お客さまの不明点がなくなるまで解像度を上げるため、わかりやすい言葉とロジカルな文脈でお伝えできるよう努力しています。

「意見を持つ」「わかりやすく伝える」ために
どのようにスキルアップを図っているのでしょうか?

アクチュアリーの資格取得者として、チームメンバーにレクチャーすることが、スキルアップに繋がっていると感じます。例えば、アクチュアリー試験の対策として、ディベートセッションを行うことがあります。メンバー同士の意見交換を通じて、多様な視点で主張をブラッシュアップすること、それを相手に納得してもらえるよう伝えることの訓練をしています。

ある時、「○○という問題を解消するために法律をどのように改正するべきか」という問いに対して「法改正は不要」という結論を出した同僚がいました。設問の目的は年金制度の健全かつ安定した長期運用なので、理屈さえ通っていればそういった結論もあり得ます。それまでの私にはなかった視点で、非常に勉強になりました。

Chapter
02

private

休日は仕事をしっかり手放す
充実した一人時間で集中力をチャージ
プライベートはどのように過ごされていますか

仕事とは完全に切り分けて、心身をしっかり休ませることを意識しています。ゲームをしたり動画を観たりとインドアな趣味を楽しむこともあれば、お気に入りのカフェで過ごすこともありますね。ここ数年はチーズケーキにはまっていて、先日はアプリのクチコミで見つけた評判のお店を訪ねました。たまに大学入試問題の数学に取り組むこともあります。プライベートでも計算……と思われるかもしれませんが、本当に数学が好きで、完全な趣味として楽しんでいます。

オン・オフの切り替えを大事にされているんですね

休日は仕事のことを考えない分、業務中は周辺環境や身に着けるものを駆使して、しっかり仕事のスイッチを入れられるよう意識しています。例えば、チーム内でもカジュアルな格好の人が増えているのですが、私はその中でも毎日スーツを着ています。在宅勤務の日も仕事用と決めた服を着て、気持ちを切り替えています。集中力の使いどころをコントロールすることで、効率よく自分の力を100%発揮できるよう気を配っています。

これは、当社の方針ともよく嚙み合っていると思います。仕事は就業時間内に収めようという意識が高く、役職にかかわらず業務を終えた人から退勤していくのが当たり前の環境なので、メリハリを重視した働き方が自然と身につきました。

Chapter
03

future

選択肢が増えることが可能性を広げ
新たな未来をつくっていく

未来を共に見つめる「翻訳者」へ
対話を通して探し続ける最適解

これからのりそなを担う人財として
マッチするのはどんな人だと思いますか

りそなで働く人には、穏やかでありながら強い芯を持った人が多いと感じます。「確固たる意見を持つ」ということは「頑な」であるということではありません。むしろその逆で、周囲の声に耳を傾けて柔軟に他者の意見を取り入れ、主張をブラッシュアップすることが重要です。協調性と主体性をバランスよく持てる人、話し合いを通して最適解を求め続けたい人には、当社の環境がよくなじむと思います。

そういった性質の人が集まる理由は、主張を柔軟に受け止めてくれる風通しのよい社風にあるのかもしれません。誰だって、意見が跳ね返される環境ではのびのび発言できません。年齢や経験年数に関わらず公平に主張の機会があり、正しい意見はきちんと採用される懐の深さは、当社の特長だと思います。

ご自身が今後実現したいことは何ですか

年金制度の新規設計や、制度変更を手掛けたいです。年金制度を設計するということは、お客さまが目指す未来を共に見つめ、その仕組みづくりの一端を担うということです。ご要望を深く理解した上で、法律や資金確保の確実性を踏まえた制度に整える。高度なスキルが必要な分、アクチュアリーとしての介在価値を強く実感できる仕事だと思います。

企業年金に関わらず、年金関連の特集コンテンツに触れると、年金制度に対して漠然とした不安を抱えている人が多いのだと感じます。個人や企業の未来に関係する大切なものであるにも関わらず、複雑で難しい。これをわかりやすい説明に翻訳した上で進む道を示すことが私たちアクチュアリーの役目なのだと思います。未来への不安や希望に寄り添う身近なパートナーとして、頼ってもらえる存在を目指したいですね。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです。

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