
- 現在の業務内容を教えてください
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企業年金、中でも確定給付企業年金の決算および計算業務を担当しています。お取引先企業が将来、社員へ年金を支払うための積立が適切であるかの検証や、必要掛け金の計算が主な業務です。退職や昇給など将来的に発生しうる不確定な要素は、確率論や統計学によって見通しを立てていきます。また、年金制度に関わる法律はたびたび改正されるので、関連ニュースのキャッチアップや知識のアップデートが欠かせません。
フルラインの信託機能を備えた日本唯一の商業銀行として、幅広い事業を展開するりそな銀行の中でも、企業年金事業は特に扱う金額が大きい分野。組織の屋台骨を担う責任と、確かなやりがいを感じられる仕事です。
- 学生時代は、数理科学を研究されていたそうですね
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幼い頃からずっと算数や数学が好きで、就職の際も数理的思考力を活かせる仕事がしたいと考え、金融分野で数理業務を担当する専門職である「アクチュアリー」を目指しました。正式にアクチュアリーの業務を手掛けるためには、正会員資格が必要です。全7科目の試験には基礎科目と専門科目があり、前者では数学の知識が役立ちますが、後者ではまったく異なる知見が求められるため、苦戦しました。専門科目の肝となるのは、年金制度が抱える課題について法律を踏まえた意見が問われる問題です。法律を扱うことも、説得力のある説明文章を作成することも初めての挑戦でしたが、社内勉強会や先輩からの助けを得て乗り越えることができました。早期に資格取得できたことで、早い段階から密度の高い経験を積むことができています。
年金関連の計算は、大学院で研究した分野と直接的な関係はありませんが、数理的思考力や、一度出した解が正しいものなのかを多角的に検証する力は現在の業務に大いに役立っています。
- アクチュアリーを目指す環境として
りそな銀行を選んだ決め手を教えてください -
信託業務を担う銀行の中でも、幅広い企業規模のお客さまとのお取引があるため、豊富な経験を積めることが大きなポイントでした。アクチュアリーの業務は、企業規模によってアプローチの手法が異なる部分があります。万単位の社員が所属する大企業と比較して、数十名規模の中小企業では取得できるデータが少ない分、確率論などから導き出される数値の信憑性が低くなってしまうのです。これを補完して確実な結論に近付けるために、データの取り方を工夫して通常よりもサンプルを増やすことがあります。一方で、増やしすぎることで信憑性が低くなることも考えられるため、調整が必要です。
どんなデータを分析対象とするか、出てきた数値をどう捉えるかはアクチュアリーの経験と感覚に任された、いわば腕の見せどころ。さまざまなケースを担当することで幅広い経験を積み、成長できていると感じます。